自己暗示の勧め

それは私が若かった頃の話。

ある友人から勧められた書物があって、いつしか私も夢中になって読み耽っていた。

今でいうスピリチャル関連の書物で、その友人も書物に記された教えを実行することで状況が改善されていた。

当然、二人でのめり込んだ。

同じ著者の書物を何冊も読んだ。

けれど、ある時期を境に私は距離を置くことになる。

記されていることに疑問は感じなかったものの、何処か新興宗教に似た匂いを感じてしまったのだ。

偏見かもしれないが、その手の世界には近寄るべきではないと常々思っていた私。

見えない力に引き留められたこともあり、それ以後その人の思想に触れることはなかった。

時は流れ、私は五十代になった。

相変わらずスピリチャル関連には興味があって、書店の一角に佇んではあれこれ思いを馳せている。

踏み込みたくとも踏み込めない。

自分の中の何かがブレーキを踏むのだ。

因みに、前述の人も未だ現役で、何冊かの書を出している様子。

というか、案外簡単に出版出来るんだ…というのが私の印象。

結局、どの書物も伝えたいことはほぼ同じ。

問題は「誰の言葉が受け容れられるか」なのだ。

幸い、直感で選んだ人の言葉を実践する努力はしている。

口角を上げる。

何事も前向きな言葉に言い換える。

感謝の言葉を口にする。

何れも習慣にするには時間がかかるが、やらないよりはマシ。

きっと好転すると信じて、おまじないを呟いている。

不思議なことに、大好きな猫に遭遇する機会が増えている。

相手は野良だし、飼うことは出来ないので、専ら眺めるだけ。

それでも幸せな気持ちになるし、幸せになって欲しいと願う。

それが良いのだろう。

思うことは色々あるが、私は幸せだ。

iPodから送信