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或る天邪鬼の戯言

あれは何年前のことだろうか。
俗に言うミスコンに異議を唱え、本来参加資格のない女性がこぞって参加申込を行ったのは。
記憶違いでなければ、ミスコンに異議を唱える人々の主張は二通りあったように思う。
一つは、「女性」であることを商品化することに対する違和感。
具体的には、「性の捌け口」の対象とされることに対する違和感だったように思う。
一方で、外見のみで女性を評価しようとする動きに不快感を覚えた人々が「女性は皆、美しい」と主張する為に敢えてミスコンに参加していたように思う。
勿論、書類審査の段階で却下されていたが、当時はニュースとして取り上げられていた筈だ。
何れの主張にも賛同しかねる私であったが、最近になってその主張の意味が理解出来るようになった。
あくまで理解出来るだけで、必ずしも賛同出来る訳ではないが。
切っ掛けは、私自身がアイドル好きになったこと。
元々気にはなっていたものの、たまたま購入したベストアルバムが気に入り、一気にファンになった私。
当初はお気に入りのメンバーすらなく、純粋に曲だけが好きだったが、やがてある特定のメンバーが気になりだし、現在に至る。
流石に男性として見ることは出来ないものの、ちょっとした疑似恋愛の対象としては丁度いい対象だ。
当然、彼の情報が気になる。
ちょっとした言動も気になる。
無意識のうちにイメージを膨らませ、それを重ねてしまう自分に嫌悪を覚えたこともある。
いや、相手はアイドルだから当然だろうといった意見もあろう。
その対価としてギャラを受け取っている訳だし、一般人には出来ない経験をしているのだから、それぐらいのことは容認すべきだと。
それがプロというもの、と言われてしまえばそれまでだが、その割には彼らの私生活に土足で踏み込み過ぎるだろう。
彼らにも息抜きは必要だし、24時間アイドルの仮面を被り続けることには無理がある。
場合によっては精神を病むことも考えられる。
だからこそ、一方的にイメージを重ねた癖に、そのイメージが崩れたからといって口汚く罵るのは如何なものか。
裏切られた気持ちになるのはわかるものの、それは自分の中で消化すべきものだと考えるのだ。
このように考えを纏めている過程で、ふと頭をよぎったのがミスコン騒動だった。
実はGoogle等で検索をしたが、当時の騒動を記した文献は見つからず。
それ故、薄っすらとした記憶を頼りにこの文章を打っている。
確かにミスコンは嫌らしい。
女性を商品化している行為であるし、外見の美しさのみで評価することにも違和感はある。
しかし、ミスコンに嫌悪を抱く人々とて、知らず知らずのうちに誰かを商品化することもあるだろうに。
外見だけで女性を評価することに異議を唱える人とて、イケメンであるか否かで態度を変えていることもあるだろうに。
自分のことは棚に上げ、都合の良い主張を繰り返す輩を見る度情け無い気持ちになる。
そんな私は極度の天邪鬼である。