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メンバーカラーが与えるモノは皆無なのか

ある会社にせっかちな男性がいた。
部下の言動に苛々、取引先の電話で苛々、ついでに自身のふがいなさに苛々。
そんな感じの男性だったそうだが、ある日を境に穏やかになったとか。
その切っ掛けというのが、色彩心理に関する話。
何でも「茶色は心を落ち着ける」というので、真っ白なマグカップに「気持ちが落ち着くカップ」と茶色のマジックで書き込み、毎日「気持ちが穏やかになる」と自己暗示をかけながらお茶を飲んだそうな。
やがて男性は別人のように穏やかになり、口調まで変わっていたとか。
このエピソードは色彩に関する書物で見つけたものだが、当時の私は半信半疑だった。
勿論、色彩が与える影響が決して小さくはないことは知っていた。
知ってはいたが、そこまで明確になるとは正直思えなかった。
とはいえ、このエピソードが私に与えた影響は大きく、無意識のうちに選ぶ色にも何らかの暗示があるに違いないと考えるようになった。

時は流れ、私もそれなりに年齢を重ねていた。
漸く受講可能な色彩心理講座を見つけ、嬉々として参加した私を待っていたのは「まだまだ発展途上の学問」であるという現実だった。
「赤に惹かれる時は××」「青に惹かれる時は××」といった明確な答えがある筈もなく、あくまで一般的なイメージ(けれど、決して侮れない)を学ぶだけ。
それでも、雑誌等から集めた色の画像から感じる印象をまとめる作業は「自分がその色に対して描いているイメージ」を明白にしてくれた。
比較的ポジティブなイメージが浮かぶのは個人的に好きな色。
逆に苦手意識の強い色からはネガティブなイメージばかりが浮かんでくるから、こうした心理を把握するだけでも意味があるかもしれない。
その後私はカラータイプの理論を学ぶことになる。
選ばれた13色から象徴されるイメージと、人間の資質とを結びつけたユニークな理論であるが、その裏には膨大なデータがあり、或る意味プロファイリングに近い要素がある。
例えば私は協調タイプであるが、それを裏付けるかのようにキャラクターものの手帳を用いている。
けれど、女性であれば皆キャラクターものが好きな訳ではなく、中には「あんな子供っぽいもの、大嫌い」とおっしゃる方もいる筈。
きっと彼女の鞄には、ダークカラーの手帳が入っているに違いない。

さて、ここからが本題。
必要に迫られ、私は堅実タイプの要素を取り入れようとしている。
即ち堅実で、論理的で、感情に流されることなく冷静な判断の下せる人になりたいと欲した訳だ。
余談であるが、今挙げた3つの要素は何れも私にはないものばかり。
もう少し堅実ならば人生も変わっていただろうし、もう少し論理的なら人間関係で苦しむこともなかっただろう。
何より感情に流されずに冷静な判断が下せたならば、さぞかし穏やかな人生が送れたと思うのだ。(いや、違う意味で難しいかも)
仮にそういった相談を受けた場合、取り敢えずは青色の小物を取り入れることを私は勧めるだろう。
青色は堅実タイプに属する色の一つで、冷静さを象徴している。
「丸ごと堅実タイプを目指す」のであれば茶色を積極的に取り入れることを勧めるが、あくまで欲しいのは冷静さなので、青色が適切かと。
但し、洋服に取り入れることに抵抗を感じる場合もあるので、まずは身の回りの小物類を青色にしてしまう。
ピアス派ならば青いピアスを、手帳を買うなら鮮やかな青を。
この時、出来るだけ視界に入るものを選ぶのがコツだが、問題はそれだけで変わることが出来るか否かだ。
何故そんなことを書くかといえば、恐らくは青色の小物に囲まれているであろう某アイドルファンの多くが「冷静さに欠けた」言動をしている嫌いがあるから。
いや、私ごときが目にするぐらいである、彼らは一握りの例外かもしれない。
けれど、それだけ熱狂的な人が青色を取り入れない筈もなく、それこそ筆記用具一つとっても青い軸のモノを選んでいるに違いない。
パソコンの壁紙が青色の人もいるだろう。(いや、今なら紫か)
洋服まで青色の人は流石に少ないだろうが、手帳類なら簡単に取り入れられる。
それなのに、だ。
少なくとも私が見かけるファンの多くは自分本位であり、客観的な視点に欠けている嫌いがある。
青が象徴する理性を感じることはほぼなく、中には眉を顰めたくなるような言動もちらほら。
所詮ヲタはヲタであり、例えそれが茶色であっても、それを身に着ける人に影響を与えることは皆無に近いのだろうか。

とここで、最初の話に戻る。
せっかちな男性が穏やかになった背景には、或る種の自己暗示が働いていた。
積極的に取り入れた色だからこそ、プラスの方向に作用したのだろう。
一方、某アイドルのファンは「メンバーカラーである」青色を取り入れただけ。
その本質は別の色であり、恐らくヲタと呼ばれるファンに共通する色に違いない。